夜の街のどこかで/番田 
 
雨の合間を縫って、少し外を歩いた。公園のベンチに座る、誰かの背中を通り過ぎながら。そこにいる人は、でも、夜も遅いのに何をしているのだろう。そんなことを考えながら、人気のない通りの上を渡ると、昼ごろ思い浮かべていたことについてを今度は考えていた。主に学生時代の頃の事だっただろうか。しかし、記憶というのは、何か強烈なインパクトが無いと残らないもので、それは決して穏やかな旅行の時間の流れといったものではない。そのような意味では、生きていくことの要領の良さを持っている人は、あまり死ぬ時に思い出すことは無いのかも知れない。僕は写真を最近は撮るのだけれどだいたいシャッターを押すのは景色の中で変化が生じた瞬間を
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