生動する思考/ひだかたけし
熱く生動する思考が
知覚されたものを捉える
それは例えば
樹木という概念の元に統一され
生々しいこの樹木という存在が立ち上がる
樹木の記憶像、表象は意識のなかで
再現された存在に過ぎない
抽象的思考はそこから
樹木一般という死んだ概念を作り出す
私たちは夜明けと共に太陽に手を合わせる
その畏敬の念は私たち一人一人が持つ感情だ
太陽という生々しい存在は私の知覚と
私の奥底から沸き立つ思考とによって生成する
思考それ自体は誰にも属さない
誰もが共有する普遍的運動だ
私という存在の奥底から
熱く生動し溢れ出て
世界に生きた概念を与える思考は
知覚と協動してリアルな世界を立ち上げる思考は
いったい何だろう?
と私の内面から沸き立つ思考が思考する
私の抱く私に属する独自の感情と出逢い
畏敬の太陽を実在させる一契機である
生きた思考とは?
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