メモ/はるな
 

 蝉が破裂しそうに鳴いている。ぐるりと囲むメタセコイアの枝のすべてから鳴き声が降り注ぐ、時々ふっとそれが止むと、夏の日ざしも相まって、ちょっと世界が終わったみたいになる。
 その大きなニュースが報じられたとき、わたしは涼しい布のうえにいた。あの日わたしは一日中テレビをつけていて(でもそうするべきではなかったなと思う)、物事が少しずつ明らかになっていくのを、でもそれが本当かどうかわからないままで肥大していく情報を、そしてとめどなく生まれる尾鰭のような感慨を見ていた。
 
 なにかよくわからないようなスピードで、死に意味と理由が求められ、値札がつけられ、切り分けられ、配布されていく。わたしは
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