夏のひととき/番田
僕はモールに入っていたゴンチャという台湾系のお茶の店でミルクティーを飲んでいた。お茶の店というだけあって、冬は普通の温かいお茶を出すのかどうかは、よく知らなかった。昨今の暑さは冷房なしではきつく、午後の日暮れまでの時間をやり過ごすのは大変である。ただ節電の叫ばれる昨今に、冷房の効いている天井の高い空間というのも今後スペースとして必要とされるべきなのかどうかは、微妙ではあったが、僕は今日はそこにいた。このミルクティー、ドトールの同じ商品とは違って、最後の一滴まで味がすることが不思議だった。味の感覚としては大差はなく料金的にはドトールに軍配が上がる気はするが最後にたどりつくに連れて氷で味が薄まってしま
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