故郷の記憶/番田
僕は昔のことを良く思い出す。駅前に、ツタヤができたばかりの頃のことだとかを。僕は良く、CDを借りに行っていたけれど、今はもう、店は駅からは離れた場所にあって、僕の行っていた同じ場所には無いようだった。高校生になった頃には良く行っていた場所の一つで、知り合いの女の子がそこでアルバイトをしていた。踏切の近くにあったパン屋のベーコンのパンを、僕は今でもよく覚えているし、スーパーの隣のパン屋のやきそばパンの味もよく覚えていた。僕の忘れたことといえば、最近のことばかりなのかもしれないし、そういった昔のことばかりを探して生きているような気がする、例えばこれはあのパンと同じ味で、これは違う味だというふうに。今感
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