概念とはグラデーション的な実在ではないのか?/朧月夜
 
 このごろ考えていることに、「概念とはグラデーション的な実在ではないのか」というテーマがあります。世の中を科学によって見る物の見方は、遠く過去にはギリシア文明の時代、いいえ、それよりもずっと遠い過去から人間は引き続いて考えてきました。例えば、世界はアトム(原子)によって出来ている、という考え方は古来からありましたし、東洋の伝統的な哲学では有と無が一体である、といった考え方が継続して行われてきました。
 現代科学にあっても、例えば物理学の分野では、「真空は真に空っぽである訳ではない」という考え方があります。つまり、真空というのはこれから生まれ出る原子(基本粒子であるクォークやそこから生まれる光子な
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