山頂にて*/ひだかたけし
 
私は今花崗岩の上に立っている。ここでは同じ大地が地球の深奥の地点まで直接達している。どんな地層も、どんな夾雑物も、私とこの確固とした太古の基盤との間を隔ててはいない。

この山頂はこれまで生あるものを何ひとつ生み出したり、呑み込んだりはしなかった。ここでは一切が生命以前であり、生命を超えている。大地の奥深くへ引き寄せ、揺り動かすもろもろの力が直接私に働きかけてくる。そして天からのもろもろの力も一層間近かに働きかけてくるこの瞬間には、大自然をより高次の観点から理解することさえ可能になる。

ただ太古以来の、最初にして最奥の真理に対する感情に魂を開こうとする人間だけが、このような孤独感を味わう
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