ランニング、サザン、夜/番田 
 
久しぶりにランニングに出かけると、とても疲れた。闇の中では、僕のことなど誰も知りはしないのだが。去年の今頃も僕は同じように走っていたものだったが、夏が来て、熱帯夜が続くと、いつの間にか、誰かがそうしていたようにやめてしまうのが常だった。否定することなく、何かを続けていくことの難しさ。学生の頃に積み上げてきた苦労の意味はなんだったのだろうと、時々道を歩きながら思うことがある。道を走っていた僕のフォームは昔とさほど変わってはいないように思えていたけれど、膝サポーター無しで続けていくことは難しい。満員電車で若い女の子にタックルされていた頃を、昨日のことのように思い出しながらほくそ笑んでいる。もうすでに、
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