緑は濃く/山人
五月二十六日、伐採した木が跳ね、左腿を痛打した。骨折は免れたがひどい打撲に悩まされ、丸四日休んだ。その後復帰したが、膝は痛くて曲がらず、その不具合な足で、やらなければならない登山道作業や林業作業をこなし、今に至っている。皮膚下の血腫は次第に痛みがなくなり、しこりも目だたなくなってきていた。
六月十四日から週末まで、浜建設の手伝いで東京電力の鉄塔線下の刈払い作業を行った。斜度は三十度から六十度近くもある急傾斜地だ。立っていることすら難しいような斜面を灌木や草を刈り払っていく作業だ。同じ作業を五年前に手伝った経緯があったが、前回は比較的斜度の緩い現場だった。前回も補助ロープを垂らしながらチェーン
[次のページ]
戻る 編 削 Point(5)