高校生活/番田 
 
僕は昔歩いていた。高校へ続く道だった。そして、何の変哲もない、駅からの、一本の通りだった。卒業間際には、軍モノのグッズの店が何もない空き家にできていたのだ。でも、それ以外は、記憶に残るもののない道が続いていくだけの風景だった。時々、僕は帰りに本屋に寄っていた。僕はあの日校門をくぐってから、部活をしたのは良かったように思う。部活では、特定の人間ではなく、いろいろな人と話すことができたからだ。そんなことを考えていた。


僕は高校の最後の日に、振り返ることもなく校門をくぐった。僕は新しい友人と三人だった。そして、そうではなく、入学当初から変わらないグループのままの知り合いも、見かけたりもした。時々それはなぜだろうと、思う。多くの人間が、入っていた部活を辞めていた。三年前の春に目を輝かせて活動していた人も、暮れゆく校門をくぐっていった。それぞれが思っている、それぞれの行こうとする場所へと、消えていったのだ。僕はそんなことを考えていた。



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