マスタードの匂い/
番田
昔僕は、NYCにいた。夜の街の、薄暗いスーパーを歩いていた。遅くまでやっている服屋でTシャツを買っていた。分厚いガラスのビルに、そして、指先で触れては、ほろ苦い味のコーヒーに唇をつけさせられていた。サイレンの鳴る窓の外に耳を傾けていると、やがて空は晴れてきた。色々な姿の人の行き交う通りを、一人、通り過ぎていった。
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