俳句の良さについて/道草次郎
信濃毎日新聞という故郷の新聞に、むかし、俳句を投稿していた時期がありました。何度も投稿したものの全部没で、一度も俳句欄に載ることはありませんでした。一度でも自分の書いた俳句が新聞に載っていたら、どんなに良かったろうと思い今でも少し哀しくなります。
ぼくにはまだ一歳に満たない子供がいて、もし自分の俳句が新聞に載ったらいつかその子に見せられるのになあ、と漠然と考えます。何だかおかしな話ですがこれがけっこう本気なのです。
俳句はわたくしというものをとことん削り尽くす芸術でもあります。その事こそが俳句の素晴らしさの一つだと思うのです。それはどこか音楽に似ているような気もします。十七
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