時々、思うこと/番田
時々何かを考えている。何かを、時々、見ていることもなく、きっとそうであろうこととして。僕は昨日、バスから、流れていく冬の公園を眺めていた。そして、見ていた目を特に何かを見るということもなく閉じていた。僕はたぶん、生きていたのだと思う。何かを、そして、着いた場所でたらふく食べようと思っていた。僕は思い浮かべていたのかもしれない。その、きっと、美味しいであろう外国の料理を。昔訪れたニューヨークのことを思い出していた。そこで食べたものを、そして、頭の中では、どうやらまだ覚えているようだった。たとえば、ホテルの前の屋台で買って来て食べたカレーピラフのさわやかな味を。
僕は当時、自分の金ではなく、
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