ラインの通知/番田
ぼやけていくような気のする夜。CDプレーヤーの売り手もついて、安堵していた部屋。部屋の中でさっきまでキャベツを買ってくる僕の姿を、でも、僕は思い描いていたようだった。古い友人から、そして、ずいぶん昔のラインの返信。表参道の、ラットホールというギャラリーはもうこの世にあるわけではない。ここは、でも、実験的な現代アートが多く展示されていて、とても気に入っていた空間だったのである。隣の、ビビアンが出資していた場所だったようだった。ビビアンと聞いても、僕の中では何も服は思い浮かばなかったが。でも、僕は心の中では、たぶん、見たい夜のテレビ番組のことばかりを考えていたのだった。
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