さよなら、どうせだしね。/月夜乃海花
「これを読んでる時、既に僕は」
私は今、恋人の成宮の部屋に居る。ここ数日、連絡が取れなかったため急いで最終の電車に乗って成宮の住んでるアパートまでたどり着いた。アパートのドアをノックする。
「ねぇ!ねぇ!」
もちろん反応は無い。
「成宮?居ないの?」
何度も叫ぶが返事はない。
そっとドアノブを捻る。すると鍵はかかっていないようだった。恐る恐る入ると部屋に様子は変わった様子が無く、強いていうのであれば目につくガラステーブルに2枚のメモがあるということだった。
1枚目
「これを読んでる時、既に僕は春香の前に居ないかもしれない。僕が何をしたかったのか。それはこの部屋の中にある。これは最後
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