9月30日雑記/道草次郎
 
 まずここに嗚呼、という感嘆詞を置く。他に良い感嘆詞を知らない。
もっと感嘆詞を学ぶ必要があるが鈍重なこの頭はそれを拒否する。こういう書き出しは、読む者の心を暗くする。そして、書く者の心に至ってはそれの幾らかは緩和されるが、そのことで何かが啓けるとか澄むということもない。ただ、なんとなく居られるというだけの話である。ここにこうして、居られる。じつに多くの憂鬱を抱える人がただ其処に居られない事を思うと、思わず胸苦しさを覚える。本当にこういった書き出しは、良くないばかりか、誰も仕合わせにしたためしがない。とにかく、こういう事を前置きに据えるのは意思の弱さの現われだ。などと真っ先に、愚痴の方が先にこぼ
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