洪水のあとに/道草次郎
今日、先年の水害で何もかもが水浸しとなった地区に行ってきた。路肩に植えらていた筈のマリーゴールドは尽く引き抜かれ、その代わりに黒い農業用マルチがのっぺりと施されていた。
ちょうど一年前だった。あの時の事を書く決心はまだつかないでいる。何度も何度もそこへ買い物に出掛けたモスグリーンを基調色としたホームセンターと、その横に併設されたスーパーは未だ復旧の見通しが立たないようだった。看板だけが虚しくも取り外され、そう古びてもいない廃墟へと様変わりしていた。
何軒かのラーメン屋と途轍もない大盛の炒飯を出す赤屋根の中華料理屋は営業を再開していた。それから、比較的速やかな復旧
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