ラブレター/道草次郎
 
君と二人で卓球室と呼ばれる閉鎖された7組の教室の掃除をした時、君は14歳で、ぼくもたぶん14歳だった。

ぼくは君のことが気になっていたね。すごく可愛かったし、頭がよかった。国語ができていつも満点近い点を取っていたね。

君は図書館でたくさん本を借りて、休み時間は文庫本を読んでいた。

ぼくはその時は本など読んだことはなく、君がぼくの知らない漢字や作家の名前をすらすらと言う度に君のことが好きになった。

ぼくはスポーツばかりやっていた。サッカー部のキャプテンで、学級委員で、少しぽっちゃりしたひょうきん者だった。

君は運動着のまま箒を手にして、掃除の時間もぼくのことをからかった
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