詩を書く理由/道草次郎
 
みずからを救う詩しか求めていない。けれどもそんなもの無いのは知っている。それでも求め続けないと息ができない。だから詩を書くことをしている。詩を書くことは、今の自分にとっては喘ぎ喘ぎする息継ぎみたいなもの。願うのは一日でも早く健康になり、生活の糧を得られるようになることだ。自分を現実に引き戻してくれる幻の詩だけを求め、一秒一秒を耐えながら、こうすることしかできない自分が、やはり一秒一秒に鼓動を刻んでゆく。
全てが呪いで埋もれてしまわないように。
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