恋昇り13「意味のない会話、意図のない話し」/トビラ
締め切ったカーテンの端が発光する朝。
カーテンを開けてみると、思ったより暗い、曇り空。
昨日の夜、一ノ世君から託された番号を見ていて気づく。
1、3、5、6、8、0この数字を並び変えたのが、一ノ世君から託された連絡先番号。
この数字は、九理の華の中で、痕跡が消されていた数字。
それと、0を足したもの。
もしかしたら、この数字は、一ノ世君が何かしら残してくれたメッセージだったのかもしれない。
だから、誰かに消された。
例えば、一ノ世君を捕らえた人たちとかに。
ゆっくりと息を整える。
不思議と不安はない。
むしろ、落ち着いていて、穏やかで安らかな気持ち。
『知り合いのS
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