恋昇り12「つながる」/トビラ
チョコの包み紙をはぎ、そのバーコードを入力する。
慎重に、間違わないように。
頭から。
鼓動が、強くなる。
それに合わせて、ゆっくり息をする。
落ち着いて、落ち着いて。
特別なパスコードになったバーコードを入力し終えて、通信を取る。
「一ノ世君?」
「……、榛名さん?」
ああ。
一ノ世君だ。
「うん、私だよ。一ノ世君。私だって、信じてくれる?」
「うん。信じるよ」
「なんで連絡を取れたかは、言えないんだ。それでも、信じてくれる?」
「うん」
「ありがとう。時間は十分しかとれなくて。……、一ノ世君は、大丈夫?」
「大丈夫だよ。部屋から出られないだけで。ちゃ
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