恋昇り5「心配と信頼とシュークリーム」/トビラ
夕方、六時。
連座の部屋に集まる。
菜良雲はもう来ている。
部屋の中を見回す。
山藍さんはまだ来てないみたいだ。
「山藍さんは、先に休んでもらったよ」
ベッドに座った連座が、椅子に座るように促す。
私は椅子に座って言う。
「山藍さんを休ませてあげてくれてありがとう」
連座は少し驚いたような顔をして言う。
「山藍さんにはだいぶ無理をしてもらったから」
菜良雲は無言で頷く。
「休めた?」
私は話を振る。
「俺はゆっくり眠らせてもらったよ。お陰でけっこう持ち直した」
そう言われると、菜良雲の顔色はだいぶよくなってる。
「俺は……。そうだな、本当のことを言えば、そんなに
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