自分史(音楽事務所勤務時代 1 ー 入社)/日比津 開
 
 30歳のとき、業界紙の記者からクラシック、ジャズ
系の音楽事務所に転職した。クラシック音楽の特別な
知識があるわけでなく、応募しても見込みはないと
思っていが、意外にも採用され飛び上がるほど喜んだ。

 20歳の頃から在京オーケストラの定期会員になった
り、コンサート通いを頻繁にしていたが、まさかこの
僕が憧れの世界に入れるとはー たぶん、履歴書のほ
かにクラシック音楽をいかに愛しているかという内容
の文章を添えて応募者したことが、良かったのかも知
れない。

 入社してからわかったことだが、採用された会社は、
クラシック、ジャズの業界では有数の大手音楽事務所で
驚き
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