半球半身/ああああ
旅行者だったぼくはなぞなぞに答えて彼女と結婚することにした。国王は跡取りがとびきりの知恵者でなければならないと考えているらしく、なぞなぞに回答したものにお姫様と結婚する権利を与えるとお触れを出した(ただし正解できなかった場合は首を切る)。
「甘くて苦くて怖いもの、なんだ」
「熊の胆から出てきた蜂蜜」
ぼくは見事なぞなぞに正解し、物語はここで終わる。二人はいつまでも幸せに暮らす。しかしなにごとにつけ行間というのはあるもので、幸せな暮らしに至るまでにはほんの短い間、些細な行き違いがある。ここではこの物語の小さな隙間について語ることにする。
ぼくは無事彼女と暮らし始めたが、彼女の宗教で
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