詩論/黒髪
 
 詩に目的はない。詩に価値はある。言葉の自由な使い方や、美しい使い方のお手本となることができる。それは、実践の中から生まれるだろう。つまり、胡乱な態度で書かれていれば、それなりにしかならないのである。程度が知れる。例えば意図とはどうであるか。こき下ろすことを前提として書かれた言葉は、美しいという価値を持つことはない。
 長い言葉を縮約することが、詩の作り方の一つとなるだろう。長いフレーズを、言い換えること、長いフレーズから連想すること、である。意味は自由だ。言葉のフォルムは意味を伝えることと、表裏の関係にあるように思う。フォルムはそのためにあり、フォルム自体を楽しむ詩というものは、試みられてはい
[次のページ]
戻る   Point(3)