アフリカの太鼓 〈掌編小説〉/
オキ
О
ケイチツの日
ケイチツとは、
冬籠りしていた虫が
穴から出てくることだと
教えられて
幼い子が
空缶を叩いて
虫を呼んでいる
虫が出て来ないので
音が足りないのかと
バケツに換えて
その底を叩きはじめた
昼寝をしていた大学生の兄が
「何だあの太鼓の音は、ここはアフリカか」
と目を覚まして言った
О
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