事実は詩の表現より奇なり/st
 
松任谷由実さんの作詞で、(海を見ていた午後)のなかに

(ソーダ水のなかを 貨物船が通る)

という詩の表現より奇なものがあって、
最初は理解できなかった。

しかしあまりにおかしいので、ずっと気になっていた。

これが事実をそのまま表現していることに気づいて驚いた。

テーブルに置かれたソーダ水を飲みながら、
遠くの三浦岬を見ていた時に、

ソーダ水を通して貨物船が通るのを見た---
ということなのだ。

まさに事実であり、詩の表現ではない。
詩の表現だとしたら、とてもおかしいものになる。

松任谷由実さんの作詞は、とても面白い表現が多く参考になる。

この例でもわかるが、ただものではないと思う。

プレヴェールを愛し、その『夜のパリ』をある番組で朗読もしている。
歌詞とはいえ、立派な詩人だと思う。




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