いっちゃん・悦ちゃん/MOJO
いっちゃんは、喧嘩が強い。僕も、弱い方ではないが、いっちゃんには、敵わない。
二年生のある日、休み時間に僕は、教室で隣の席に座る悦ちゃんと 砂場で遊んでいた。そこへいっちゃんがやってきて、僕たちが造った山を踏み壊した。
「太一、おまえ、女なんかと遊んで、生意気だぞ」
「べつに、いっちゃんとは、関係ないじゃん」
ぼくは、そう言い返した。すると、いっちゃんは、いきなり僕のお腹を蹴り上げた。いっちゃんのつま先が、僕のみぞおちに、くい込んだ。ぼくは、戦意喪失。ぴーぴーと泣きだした。
以来、悦ちゃんは、僕によそよそしい。誘っても、一緒に遊んでくれなくなった。
それから、しばらく
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