金子ノブアキの音楽の魅力について書きたい衝動のままに。/小川麻由美
 
彼の魅力は屈託のない気さくな笑顔に如実に反映されている。
アルバムに収められた曲の多くは幸福感を与えてくれる。
その幸福感は昔観たオノ・ヨーコ展で得られたものと酷似している。
どういった幸福感かと言うと無条件で私を肯定してくれている感覚。
彼に通底している邪念の無さ、自分自身に対しての正直さ、
探求心に満ちた作品達。それらピュアな感じは一体どこから来るのか。
彼には20年のドラマーのキャリアがあるが奇跡的な程の真摯さで音楽を奏でる。
彼の作品に触れる度に時には安らぎを与えられ時には研ぎ澄まされた感性に
触れることができる。アルバムでは安らぎを贈与されライブでは破壊的なまでに
美しいドラマーであり無心になった表現者としてステージに挑む姿が心を打つ。
Fauve。マチスやドランが彼の音楽を聴いた感想を聞きたいものだ。
創作は多くの場合孤独なものだろう。だがここに受け手が居ると彼に知らせたい。
彼の魅力は私には刺激が強すぎる。
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