ちいさいのこと/はるな
お誕生日はよく晴れた。いつものように洗濯機をまわして床をみがいたあと、夫がベビー・カーを押してくれたので公園まで娘と手をつないでいることができた。
午後は眼鏡を新調したあとでお鮨をたべにいった。安いけれど美味しくて、そしてよく混んだお店だった。娘は機嫌が悪くまったく何も食べないかと思えば―、帰り際に残った細巻きをひとくちぱくんと食べて笑った。帰りにここでケーキを買っていく、と夫が寄った店には生ハムやソーセージがならんでいて―わたしたちが店にはいったとき店員が大きなかたまりの生ハムを切り出しているところだった―、ドイツ食材の店ということだった。(夫はチョコレートのケーキを予約してくれていたし、わた
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