蝸牛考/梅昆布茶
等速運動をつづけているうちに鳥は羽根をもがれて
上腕二頭筋と三頭筋間のしがらみに別れをつげる
慣れない歌をうたいつづけて喉が嗄れたよるは
冷蔵庫のかたちをした夢をみる
B♭ないちにちの終わりに半音あがった
きみにあってキーを調整する
洗い晒したジーンズと擦り切れたカーゴパンツと
下着と靴下を干した部屋に狂った女友達からの電話がくる
レッテルを貼ることに忙しい缶詰工場で
僕はこっそり彼女のすきなヤスキヨの漫才をつめている
モペットの燃料にカストロールの
えらく高価なレーシングオイルを混合する
ぼくの日常をフラッシングするために
柳田国男の「蝸牛考」
でんでん虫とかまいまい
あなたの呼び名が時とともにかわるのですね
https://youtu.be/zKYqpHUA02I
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