是々非々さん/アラガイs
僕の会社では陰口が横行している。同僚などは皆知らないうちにあだ名で呼ばれているのだ。特に上司にはよく胡麻を摺る社員を皆是々さんと呼び、口やかましい上司を非々さんと呼びあっていた。
そんな中にあって是々非々さんとあだ名のついた二年先輩が居た。
ある日、会社の屋上で昼食のサンドイッチをつまんでいると是々非々さんが僕の横にやって来た。
( やあ、アラガイくん、あれだな、口は災いの元って言うが、本当だな。これ、ひとつどうぞ…。)どうやら昼食はいつものたこ焼きとおにぎりで済ますらしい 。(あ、どうも…)予め刺してあった爪楊枝で、僕はたこ焼きをひとつ頂いた。
( どうしたんですか?) 是々非
[次のページ]
戻る 編 削 Point(2)