笛吹き少年の行くえ(8)/Giton
 
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   【8】 沈黙のエクリチュール


   下書稿(三)手入れ(3) 〔A〕+〔B〕

    なだれ    (了)

 塵のごと小鳥啼きすぎ
 ほこ杉の峡の奥より
 あやしくも神楽湧ききぬ
 雲が燃す白金環と
 白金の黒のいはやを
 日天子奔りもこそ出でたまふなり


いま、「下書稿(三)」の手入れ過程における・この作品の大胆な“刈り込み”の理解に関しては、天沢退二郎氏による次の指摘は、非常に示唆的に思われるのです:

「あの悲しく不吉な遭難譚は、この最終形態『雪峡』には見られない。この詩だけを読んで、その下書が『口碑』のごとき詩であったことを洞察せよと
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