続・詩のしくみについて (折口信夫とわたしの因果関係を妄想する)/たま
 
民俗学者折口信夫が唱えた学説は「折口学」と呼ばれますが、わたしはその折口学の信奉者なのです。

といってもその信奉の歴史はごく浅くて、わたしが折口学と出逢ったのは二年ほど前のことでした。それは折口信夫に纏わる評論だったのですが、小説は読んでも評論はあまり読まない方でした。面白くて、ためになる(詩や小説といったわたしの創作に活を与えてくれるのも)そんな評論に出会わなかったということでしょう。それで、たまたまその評論も就寝前の睡眠剤のつもりで、斜め読みしながら、うつらうつらと瞼が心地良く重くなり始めたそのとき、霊魂(たま)と、ルビがふられた漢字が眼に飛び込んだのです。

霊魂という漢字そのもの
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