【HHM2参加作品】詩の入り口に立つためにー『母乳』ちんすこうりなー/深水遊脚
詩を読みたい。それはどのような心の状態だろう。詩人はきっと詩を読みたがってはいない。ひどい言い方かもしれないし、根拠はない。間違いかもしれない。詩人が何を読みたがっているのか、私がそれに興味がないだけなのだろう。詩人ではなく、詩人ではないふりをした詩人でもない、そんな人で詩を読みたいと思っている人がいたら、そんな人のために私は詩を語ってみたい。その人のために詩を語る言葉は、とても少ない気がするから。
母乳
ママたちは
赤ちゃんを大事そうに
胸に抱いている
赤ちゃんは安心しているように見える
通りすがりに聞く
平らな胸に両手をあてて
失礼ですが、母乳ですか?粉ミルク
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