僕の過去のことだとか/番田 
 
何かに追い立てられるように、死のようなものを感じながら詩を書いていた。何の意味があるのだろう、それ自体がそこにないことに。けれど何が確かなものとしてあるのだろう。原宿の中を歩き回っている。高校生の頃、田舎者だった僕もここに来てバッグを買ったことがある。そこには、安いものもあれば、高いものも売られていた。五千円のアバハウスのバッグを僕は買った。だが、今ではそれはそれほどそれは高くもない買い物だろう。しかしたぶん、僕にとってそれは高い買い物だったのかもしれない。僕はとても、学校にそれを持って行くとよく目立った。今、どんな格好がはやっているのだろう。しかし、街を歩いてもよくわからない。なんとなくだが、街
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