atsuchan69「首のないM」について/春日線香
大前提として、詩作品を評する時、通常は詩の中の主体を作者と同一視しません。私が興味を持つのは作者個人のパーソナリテイにではなく、作品を通して読み取れる普遍的な「なにか」です。この「なにか」というのは広く人間一般にかかわるものであったり、あるいは共有されるべき問題であったりするかもしれません。しかし、だからといって大きな問題を扱えばいいというわけではなくて、たとえば個人の問題を突き詰めたがゆえに普遍に通じるということはあるでしょう。ひとまず、作品から作者を短絡して読み取ることはしない、とします。
ここで紹介する作品には若干の性的な表現を含みます。
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『首のないM』 atsuch
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