ストレンジャーズギブミーズ/黒川排除 (oldsoup)
 
頭を掴まれ続けて朝誰もいない寝室

耳を鳴らす 孤独がそうしたように

茶を淹れて飲んで踊って余命コトリ

みどりと鳴くにはみどりを知らなさすぎて飛行

さえずる器具を指に取り付け空かきまぜる

二着の服を交互に着るふたりの間の静かな殺意

笑いが止まらない腹から透明な火花

伸びた髪が端から見える頭巾床に置かれ

まるで羽虫の羽根のような春啄みにきた

戒めが出口に靴を積んでいる

空室あります裏口あります記憶ありません

折に触れて折る 骨折完治後も光る腕

朝焼けのようなわだかまり床に押し込める

建造物よく動くと思えば魂ある蜘蛛

牧草地に吹きつける男ときどき養う

怪人とバスを待つ肩が既に道具

風紋のある一点に香炉が置かれ

手の甲を湖底とおもう指に鈴

女装のやましさまだ床に残り土をかける

バックパッカーの老人おおむかしへ歩いてゆく
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