蕎麦の花/
道草次郎
テレビから鈴虫届く午前四時
過ぎてなお白に蒼差す蕎麦の花
しみ豆腐卵にとじられ杖に葱
欣ぶと小糠雨降る草の秋
入口の分からぬ銀行実南天
善きものと小さきものの蛍草
夜汽車往く音のみ染みてクローバー
颱風の目ばかり観てはニュース消す
語彙のない田圃に鴉二三匹
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