またも秋/道草次郎
 
餅つけば兎群がる港町

眠いなら枕並べて石二つ

日時計の残骸ダリア列び咲く

面持ちの泉のような人に逢う

図書館の消毒液にクロアゲハ

削り節みたいな刻を拐う風

灰汁とればまたも灰汁出る秋の暮れ

海のない盆地の底の和ネッシー

子猫抱く小袖にあたるネコジャラシ

だいじょうぶ言葉にかける白魔術


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