ひとつ よろづ/木立 悟
 





仕草から仕草に至る息ひとつ



どこまでも切れないはさみ似合う指



光には到かぬ剣を闇に植え



治っても傷つく場所は同じ場所



数秒の永い夢路に腹が減り



咲かぬなら放っておこう人でなし



迷宮と迷路つないで蛇腹かな



真昼にも午後にも夜の夢ばかり



花としか書けぬ花たち降りやまず



夜の窓あけてもあけても夜の窓



かすみゆく七の季節を廻す腕



夜の手を合わせて何も無いわたし



けだものが呑むけだもの夜やほよろづ



















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