白へ 白へ/木立 悟
 






避けるほど遠去けるほど迫る冬



月くくり手のひらくくり生す子かな



はらわたに指三本のつららかな



むらさきに雨の林を染める笛



人の子ら人ではない子の尾に触れる



泥の瀧やわらかすぎる獣の手



雨逝きて感謝知らずの白い花



わたしにはわたしさえ無い片目径



見わたせば見わたすほどに皆無かな



ゆきゆきて白に白の文字きざみゆく























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