ひとえ ひとえ/木立 悟
 




別なのに同じ何かが目に遊ぶ



戸惑いを背に押しあてて背を描く



無も壱も那由他も同じ指の夢



頬ぬらす半月の水のぼりゆく



道端の心臓浅く韻をふむ



振り向けば影を踏む影消えてゆく



見つめても見つめてもひとり水たまり



誰も皆さがしに来ない昼さがり



夕方という名の力車ひいてゆく



あんぐりと花に喰われた頭かな



ふたつからひとつを引いて歩道橋





















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