ひとつ 地獄/
木立 悟
作為(つく)られた景の醜さ哀しさよ
草むらを燃やす象亀空あおぐ
岩の地図こすりあわせて緑の火
何もない夜ほど明るいものはない
応えるは壊れた目覚ましばかりなり
季節さえ我と花には近づかず
三ッ首の楽器燃やして断末魔
手のひらに食用の月おい茂る
空き腹を耳に指される大通り
死を睨み生踏み抜いて地獄かな
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