うつら うつら/木立 悟
 




洞の実を砂糖醤油につけて呑み



まばたきの遅い一日お茶すする



ひらくたび傘の首すぐ飛んでゆく



弧を刻む光のなかの馬鹿ひとり



とどろきよ轟きを咬むとどろきよ



痛みとは星の両わき夜の裾



死ぬものが死なぬ日が来てさようなら



骨にぎり骨くだきなお骨たぎり



宇宙(うつ)すべて我がものにせし空虚かな
























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