ひとつ 閉じて/
木立 悟
光の背どこまでもただひとりの背
ふところに乖離の会話隠し持つ
幽霊と握手した手に残る霧
光から光を取って花格子
むなしさを疑う骨の指ふたつ
近づけば言葉は色に遠去かる
壁に立つ一筋の水夜を斬る
雨ならば話しもしよう手も貸そう
命とは織らずに織る火けだもの譜
火は火なり誰も応えぬ己れなり
夜になり明るくなる目ひとつ閉じ
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