ノート(異光)/
木立 悟
昏さから水に伝わる震えかな
知らぬまま川に柳に死ぬがいい
折れぬもの折れたときにみな越えるもの
笑うたび普通の暴力燃えさかる
回転と雛の殻の贄回転と
けだものの柱の脚を駆ける子ら
空の底地の底までも梳く氷
増える尾の数だけ春を離れゆく
龍の爪ひとさし指と空の間に
墓前とは異なるひかり聴こえくる
この国が消えても六時の夕餉かな
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