砂着き場/黒川排除 (oldsoup)
 
騒ぐ火空に馴染み食む噴出口を北に

板張りの床反り返る双子を抜け

憂えば街は閉じられ日没後の表紙

工場の窓に万力つけ口吹く

ビン持つ手と逆の片目に格子戸ひらく

字も画数もやたらめちゃくちゃの雨が死んでいた

互いの足に見立てて砂を踏みにじる

空と同じ形の紙踏む長い竿

絵の西は裏側に折られてピン刺す

勘で結ぶ土の上の鉛筆の線

いずれそうなると呟く隣人鞭しならせ

もうとっくに眠りから覚めて平原にいる

目に容れる湖頬を火花ひとひら

包丁拭く部屋の四隅にレモン伏せ

逆恨みにバネ飛び出す村長の家

凭れるとは犇めく歯並びの白さ

枝葉滅びの線画をただ水墨に切り打つのみ

自らの風紋を解き砂うしろむ

台座の底と棚が野営の光を閉じ密着

身を削げ日だまりは指し示すもの
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