0mm漁礁/黒川排除 (oldsoup)
打ち砕く岩の欠片の偶然も打つ
波よ波よ死せばただならぬ鼓動
車が停まっている棚の本の空いている床
傘を置き円筒ばかりの市に立ち会う
人魂を避け街の橋踏み外す
土の色彩眺めている川の字ぼろりと落ち
人間の肌と海の図ずらすばず
胴体振り乱す少女の両頬に壁
山に打ち上げられた魚死ぬのは山の方
野原の類へ溶け出す球根逆さに浮き
回転木馬の前で悔やみ黒くなる回転体
火の中に火はあり憎みあうとか
愛する町にただ一人沈黙が住んでた
黒い耳の半径を兎は屈む
打ち振るう眼差しを漕ぐ海まで
足首まで時計の底の浅い闇
供養まで金属音が犇めく幅
薄いフィルムを重ねて整う雲を踏む
いずれ墓となる風の中に茶封筒平たく
淋しい腹話術を操る空洞そのもの
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