祖父粗大/黒川排除 (oldsoup)
 
一説には窓である茎暮れだす町

うつむけば夜の野原ひとり歩く誰

消えねば風鳴る 消えても風になるばかり

足首しか見えぬ石段からコップ

鏡からせり出す背中森に行きたい

塩の塊だここまで転がってきたのか

撥ねた髪のような飛沫の突端で聖歌

犬は満足の声を上げる生物のいない海

殺し屋隔てる毛皮一日中撫でられ

印を破らず抜けてくる指わが胸を差す

窓枠を踊れる術者ごと外す

弟を納める陶器の箱に黴

篭手の紺降る 図面に雲の影として

右足釣られてぶら下がる頭に遠吠え

階層壊れて飽くまでの接着剤の粘り

密度見る立方体の中で気絶

りを崩す細く長く遠い雨脚

知り合い現れない明るさが円を描く

父の筆洗えば洗うなりの雨

かなり良い出来の空を運ぶゴンドラ
戻る   Point(3)